自律神経失調症とは

  • 自律神経失調症とは、生命活動の維持や調節を行っている自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れたときに起こる病気です。
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  • 日本心身医学会では「種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」と暫定的に定義されています。不定愁訴とは、「頭が重い」、「イライラする」、「疲労感が取れない」、「よく眠れない」などの、何となく体調が悪いという自覚症状を訴えるけれども、検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指します。つまり、自律神経の機能障害によって心身にさまざまな不調が現れた状態で、検査しても臓器や器官に病的変化は認められない、という意味になります。
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  • しかし、定義や概念については多くの考え方があり、自律神経失調症はまだ正式な病名として公認されていないため、医師によって診断も治療方針も一定していないのが現状です。そのため、病院の検査で異常が見つからない、原因が究明できない場合などに、患者さんを納得させるために「自律神経失調症」であると診断されてしまうこともあるようです。
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  • 自律神経失調症と診断された患者さんの中には、神経症やうつ病、または別の大きな病気が潜んでいることもあるので注意が必要です。

    ■自律神経失調症と不眠症

    リンパ球【自律神経失調症鍼灸ナビ】
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  • 自律神経のバランスが乱れると、不眠症になることがあります。それは身体を休める副交感神経が働きにくくなるからです。

    通常、日中は身体を活動させる交感神経が強く働き、夜にかけて交感神経の活動は弱まり副交感神経が強くなります。ところが、自律神経のバランスが乱れていると、夜になっても副交感神経が強く働かなくなってしまうのです。

    不眠症には三つの種類があります。

  • @入眠困難
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  • 多くの方が訴える「眠れない」、いわゆる寝つけない状態を入眠困難といいます。床についてから30分〜1時間以上眠れなくて苦痛を感じる状態です。眠れなくて朝の3〜4時になってしまうこともあります。
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  • A中途覚醒
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  • 眠りについても、途中で目が覚めてしまうことを中途覚醒といいます。目が覚めてもまたすぐに眠れたり、トイレに行きたくて目が覚めるのは中途覚醒ではありません。しかし、再び眠れなかったり、眠ってもまた目が覚めてしまう場合は中途覚醒といえます。
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  • B早朝覚醒
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  • 朝に早くに目覚めてしまうことを早朝覚醒といいます。明け方、4〜5時に目が覚めてしまう状態です。昼間に眠くなることが多く見られます。
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  • C熟眠障害
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  • 充分に睡眠時間はとっているにもかかわらず、眠りが浅くて熟睡感が得られない状態です。

    ■免疫機能と自律神経失調症

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  • 私達の身体には免疫機能が存在し、異物から身体を守っています。その主役になるのが白血球です。
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  • 白血球【自律神経失調症・鍼灸ナビ】 白血球は大きく顆粒球、単球、リンパ球に分かれます。顆粒球は細菌や寄生虫を排除し、リンパ球はウィルスや腫瘍細胞などあらゆる異物を攻撃、排除します。白血球は自律神経の支配を受けており、顆粒球は交感神経、リンパ球は副交感神経の支配をそれぞれ受けています。
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  • 顆粒球は活性酸素を放出して細菌などを排除しますが、粘膜や組織を破壊する力も持っています。身体がストレスを受けることで交感神経が優位になると顆粒球が増加し、化膿性の炎症を悪化させたり、組織破壊を起こす炎症をつくります。たとえば、歯槽膿漏、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などがあります。
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  • リンパ球【自律神経失調症・鍼灸ナビ】 一日のうち、日中は交感神経優位、夜は副交感神経優位になります。また、自律神経は気圧の変化にも影響を受けます。高気圧のときは交感神経が優位に働き、低気圧のときは副交感神経が優位に働きます。これに伴い、顆粒球とリンパ球の数も変化します。

    ■自律神経失調症と間違えやすい病気

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  • 自律神経失調症は、ひとによって症状も程度もさまざまです。中には、別の病気で似たような症状が現れるものもあります。
    例えば、身体がだるい、疲れやすい、動悸、息切れ、といった症状は自律神経失調症の代表的な症状ですが、貧血や糖尿病でも同じような症状が現れます。癌によるうつ状態が自律神経失調症のような症状を引き起こすこともあります。
    そのため、安易に自律神経失調症と自己判断してしまうと重篤な病気を見逃してしまう危険性があります。容易に自己診断せずに専門医の診察を受けましょう。
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  • 自律神経失調症と似た症状の病気
  • 胃【自律神経失調症鍼灸ナビ】

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  • ●糖尿病...のどの渇き、倦怠感、かすみ目、多尿、など
  • ●貧血...だるさ、動悸、息切れ、微熱、など
  • ●胃癌...胸やけ、胃もたれ、胃の不快感、など
  • ●食道癌...胸のつかえ感、飲み込みにくさ、など
  • ●膠原病...倦怠感、関節痛、発熱、など
  • ●脳腫瘍...頭痛、吐き気、手足のしびれ、ふらつき、めまい、耳鳴り、など
  • ●バセドー病...発汗、頻脈、動悸、高血圧、精神不安、手のふるえ、など
  • また、自律神経失調症と間違えやすい病気に心の病気があります。
  • ●神経症
  • ●うつ病...抑うつ気分、絶望感、不安、無気力、無関心、意欲の低下などが主な症状。睡眠障害、疲労感、倦怠感、頭痛などの身体症状も伴う。
  • ●パニック障害...わけもなく突然に激しい不安に襲われ、動悸やめまい、窒息感などの発作をおこす。発作は人混みや満員電車などの混雑したところで起こる。
  • 外出できずに家に閉じ籠りになるケースが多い。
  • ●適応障害...生活環境のストレスが重荷になり、不安、焦り、絶望感などが強く現れる。
  • ●心身症...悩み、不安、不快などの精神的ストレスが引き起こす身体的な病気の総称
  • ●燃え尽き症候群
  • ●空の巣症候群
  • ●スーパーウーマン・シンドローム
  • ●テクノストレス症候群
  • など

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